UR14 キット購入者向け 動作チェック方法
完成したけど短時間で止まってしまう場合の対処方法
木の時計が完成して初めて動かす場合には、振り子が数回しか振れなかったり、数分で止まってしまう場合がほとんどです。
短時間で止まってしまう原因はたった一つ!”摩擦”です。
シャフトが長すぎたりバリが残っていたり、歯車が斜めになっていたりと原因はさまざまですが、部品一つ一つの摩擦を確認して、止まってしまわない「木の時計」に仕上げていきましょう。
まず時計を壁から外して、長針短針を外してから75mmのネジ3本を抜き、前面パネルを取り外しましょう。
取り外したら、写真のように2つの歯車と振り子だけを残して外してしまいます。
3部品だけをつけた状態で、前面パネルを取り付けます。このときはまだ75mmネジを締める必要はありません。
これで、歯車単独での回転のスムーズさを確認できます。指で軽く触るだけでなめらかに回るか確認してください。
シャフトが長すぎたり短すぎないか、シャフトのバリが穴に引っかかっていないか確認し、スムーズに動かない部品は取り外して”やすり”等を使って調整してください。
次はさきほど取り外した部品だけを取り付けて、同様の確認を行ってください。
横から覗いて歯車を回転させて、シャフトや歯車がななめになっていないかも確認します。
左写真で回しているギザギザの”ガンギ車”の摩擦がもっとも時計の動作に影響を与えます。スムーズに回るように入念に確認してください。
指で軽く弾いて、2~3回転するくらいスムーズに回れば、時計として問題なく動作するでしょう。
ここで、パネル前面に取り付ける、長針・短針の4部品を取り付けてスムーズに長針と短針が回るか確認しましょう。
歯車の側面同士が擦れて、固くなっていれば、やすりでなめらかにします。歯のバリが引っかかっていないか確認してください。
どこも引っかかっている様子がないのに動きがスムーズでない場合にはホームセンターなどで入手できる左写真のような商品を部品が擦れる部分に塗布することをお勧めします。
”KURE 5-56”のペンタイプは扱いが簡単で、いろいろな部分に気楽に塗布できておすすめです。
また敷居すべりもおすすめですが、使ってみた感触としてはろうそくの”ろう”でも代用できるような気もしますね。
個々の歯車がスムーズに動くように調整したら、次は左写真のようにすべての歯車を取り付けて動作を確認しましょう。長針と短針はまだ取り付けません。
写真のように振り子がついた”アンクル”を奥に押し込んで、ガンギ車と接触しないようにして、回転テストをしましょう。
一番左の”力車”に指で反時計回りに力を加えます。するとガンギ車が高速で回転するはずです(左写真)。
もしこれが、硬くてなかなか回せないようでしたら摩擦が大きすぎます。シャフトのバリは歯車個々のチャックで確認隅なので、歯車の刃先のバリを疑ってください。動きが悪い部分はやすりがけを行います。
歯車の側面がとなりの歯車に擦れている場合もあります。この場合は歯車の横位置を調整して歯車同士が接触しないようにします。
スムーズに動くようになれば、長針・短針も取り付け、同様に力車を指で回してスムーズに時計の針が進むことを確認します。
また、振り子もユラユラとスムーズに振れることもご確認ください。
75mmのネジ3本を締めましょう。ネジを締めることで歯車の回転が妨げられることも考えられるので、再度確認します。
完成直後のエージング
木の時計完成後、始めのうちは何度か止まってしまうけども数週間動かすうちに止まらなくなるということがあります。日々の動作のなかで部品のバリが木部の毛羽立ちがなくなることが要因だと思います。
この現象を早く味わうためにエージングを行いましょう。
方法は簡単で、壁に取り付けた時計のアンクルを写真のように奥に押し込みます。
するとガンギ車の回転を抑えるものがありませんので、ガンギ車が勢いよく回転し、おもりがどんどん下がっていきます。おもりが下がりきるまでの間を3セットほど繰り返すと、だいぶ時計の動きが良くなると思いますので、完成直後には是非お試しください。
ここまで調整を繰り返してもうまく動作しない場合には、下記までEメールにてご相談ください。その際、時計の写真も添えていただけますようお願いします。全力でサポートさせていただきます。